2009年9月14日月曜日

効率化の罠

もう、効率化というのは、今の日本においては、「効率化が効力を発揮する領域を明確にする」ことなしには、実は、業務改革ではなく、業務改悪の可能性がある時代になってきた。

どういうことか。

生活必需品というのは、一通り各家庭に揃っている。冷蔵庫、洗濯機、テレビ、その他、色々と揃っている。まあ、冷蔵庫とかまでいかないまでも、生活必需品というのは、世の中にあふれているし、みんな、買っている。

みんな、何を求めて買いに行くのか。私は、3つだと思う。

1 利便性(自宅や通勤路から近いから、営業時間が長いから)
2 安い(同品種で、最安値だから)
3 利便性、安さ以外に、その店にしかない魅力があるから

カンブリア宮殿で、オーケーの飯田社長曰く「”強烈な”オーケーファンをつくることがミッションだ」という話をされていた。

この、”強烈な”というのが、ミソなんだと思う。

もう、1利便性以外には、”強烈”なファンをつくらないと、経営が成り立たない時代なのだ。

確実に、オーバーストア(生活をしていけるレベルという意味では)時代において、より、自分のとっても幸せ感を醸成するには、「強烈な何か」が必要だ。

それは、安さでない限り、「効率化」では、生まれない魅力なのだ。

効率化は、モノを安く、はやく、提供するためには、有効な手段であるが、

「魅力的な小売業」「強烈なファンをつくる小売業」の手法としては、あり得ない。むしろ、対極にあるものである。

だから、お客様には直接関係のない領域は、徹底的に効率化を行い、お客様に対する業務は、効率化を推進するのではなく、むしろ、企業にとって、「メンドクサイこと」をどんどん推進することが、強烈なファンをつくるのだとおもう。

強烈なファンをつくるために、微力ながら、がんばりたいと思う。