2010年10月30日土曜日

小売業の利益の計算方法は、ほぼ、売価還元法なんだけど、これが、クセモノなんだよな。

多分、小売業以外に人は、「売価還元法」って知らないと思います。売上原価の計算方法は、企業によって違いますが、だいたいは、総平均法や移動平均などで、原価計算をしているのがほとんどのなか、小売業だけが、売価還元法という計算式をつかっています。

これが、世界中そうなのか? ってことで、UKの人に聞いたら、米国は売価還元法がおおいけど、ヨーロッパは原価法がおおいよ、と言っていた。

昔、調査をしたことがあり、小売業各社のIR情報を調べまくった。
結果として、98%くらいの企業は、売価還元法。一部、スーパーで生鮮のみ移動平均原価を使っていたり、全部門で移動平均だったりと、一部の企業のみが原価法。

私は、単品管理をしっかりとしている企業は、移動平均原価に移行すべきと思っている。
売価還元法のよいところは、単品別に計算をしなくても、部門単位でざっくりと原価率が把握でき利益計算ができることである。もう、コンピューターが発達した今、もう、役目はおわろうとしている。

この売価還元法って、何がやっかいってですね。いっぱいあるんですけどね。やっかいなとこは。
例えば、利益率の非常に良い商品を大量に仕入れて、利益率の低い別の商品をバンバンうると、利益が上ブレするんですよ。(逆もある)

8月の下旬に東急ハンズ全店では、ハンズメッセ(バーゲン)をやるんですね。で、期間限定バーゲンなので、当然、全ての商品が完売はしないんです。
で、全店のハンズメッセ対象商品をハンズネットで販売していこうということで、店舗から引き受けたわけなんですけども。
これが、ハンズネットの通常の在庫量の半分くらいの在庫量が移動してきたもんだから、大変なんです。
何が大変って、当然、ハンズメッセの商品は、利益率が低い商品なので、それが大量に移動くると、原価率が上がってしまうんです。だから、定番商品(通常の粗利がとれる商品)を売っても、下ブレをするわけなんですよ。粗利額が。

だから、百貨店なんかでは、差益率別にカテゴリをわけて、原価率を計算しているわけです。そうしないと、セール値下げをしたとたんに、そのカテゴリがむちゃくちゃな原価率になってしまうので。

ああ、もうちょっと、落ち着いたら、ハンズも原価法に変えたいな。

それと、是非、ハンズメッセの商品も、この機会に